プロダクトイノベーションとは?
世の中の「欲しい」を叶える製品開発秘話
三協リールでは、「本当にお客様に役に立つ商品」をお届けするため、お客様の声をもとに日夜製品開発を進めています。
プロダクトイノベーションでは、お客様の声をもとに開発された、新たなイノベーション製品をご紹介いたします。
プロダクト紹介
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製品名
スローモーションリール
お客様の声
巻き戻るスピードが速すぎる
片付けが早く済むのは効率的ですが、もしもリールを巻き戻す途中で手を離してしまったときや、誤ってリールのロックを解除してしまったとき、巻き戻る勢いでホース・コードが暴れて危ない。そのように考えたお客様は、より安全に使えるリールを求めていました。
解決策
巻き戻る力が強く、スピードが出るためホース・コードが暴れてしまう。
しかし、そのために巻き戻る力を弱めると構造上、最後まできれいにホース・コードを収納できなくなってしまいます。
そこで、巻き戻る力に合わせて微力なブレーキをかけることで、巻き戻る力と安全なスピードを一定に保ちながら、確実に巻き戻る。そんなニューノーマルなリールが誕生しました。製品特徴
ゆっくり巻き戻る!フリクションブレーキ
リールの回転力を利用した遠心ブレーキ機構により、巻き取り速度を約1/5に減速。うっかり手を放してしまってもホースが暴れることなく、人や物に金具が当たる危険を低減します。
【開発秘話①】今までになかったゆっくり巻き戻るリールへの挑戦
“自動車関連では世界最大級を誇る展示会『アウトメカニカ』にて展示されていた海外のリールに触発され、世界市場に挑戦するための商品の開発プロジェクトが始まりました。 プロジェクトを通して、スローモーションリールは一体どのように生まれたのでしょうか。”
ースローモーションリールを開発することになったきっかけは何でしたか?
「もともと、今までのリールは自分で使っていても巻き戻る勢いが強いと感じていました。もちろん、巻き戻りが強いのには理由があるけど、ゆっくり巻き戻ってくれたらいいなとも実際思っていました。ですが、需要があるかどうか分からなかったので、漠然とそういうのがあったらいいんじゃないかと薄々考えていただけで…。そんな時に、ちょうど部長からスローモーションリールの開発担当をやってみないかという話をいただいて、『よし、やってやろう!』と。開発したいという強い思いが生まれました。
自分自身、今まで色々なリールの改良改善を担当しているけど、普段の仕事は“新しいものを開発をしている”という実感がなかったです。なので、新しいものを創るチャンスが来た!と思ってわくわくしましたね。実際作ったり、構想したりすることはすごく楽しいので。」【開発秘話②】展示会にて初披露!日本初のスローモーションリールの反響は…?
ー2019年に開催されたオートサービスショーに、当時はまだ開発途中だったスローモーションリールを参考出展されたと伺っているのですが、その時の反響はいかがでしたか?
「『これは安全ですごく良いね!』って、これを見たカーディーラーさんなどから多くの反響がありました。最後まで引っ張ってから手を離したときの力強い巻き戻りの威力を知っている人や、ゆっくり巻き戻るってことは途中で止まってしまうんじゃないかと思っている人にとって、スローモーションリールはかなりインパクトが強いと感じました。」ー日本で初めてスローモーションリールをカタチにできたということについてどう感じていますか?
「やっぱり初めてっていうのはすごく嬉しいよ!世界初ではないけど、日本初というのは大きなセールスポイントになるんじゃないかな。」
ーええ、それに日本初というのは誇りにもなりますね。狭いところでリールを使っているユーザーさんを見ると、人や車にホース・コードをぶつけてしまうんじゃないかと心配だったので、私もそういうリールがあったらいいなと思っていました。
日本のメーカーとして初めて発売できたというのが私自身もすごく嬉しかったですし、想いが詰まっている商品だと感じています。
【開発秘話③】真の心地よさを求めて~10秒にかけた想い~
ースローモーションリールを開発していく中で、一番こだわったのはどんなところですか?
「巻き戻りのスピードですね。開発当初から、どのくらいの巻き戻りスピードがお客様にとって安全で心地良いのか、量産化も意識しながら試行錯誤しました。
ゆっくり巻き戻るのはいいことなのですが、ゆっくりすぎてもイライラしてしまうかなと。安全面も考慮したうえで何秒までが不快にならないのか、社内で何度もスピードの基準を検討しましたね。
その時に出たのがだいたい『10秒(10mあたり ※以下省略)』。ただ、もう一つ大切なのは『そのスピードを安定して保てるか』。常に同じ場所で同じような面積にブレーキ面が当たるようにしなければスピードが一定にならなかったり、変にガタガタと音がしたりするので、当たる面積の量や巻き戻りのスピードを一番重視しました。」
ー確かに巻き戻りが遅すぎても困りますし、スピードが不安定だと故障かと思われたり、どこか不安になったりしそうですね。使う人の安全と安心のための「1m/1秒=10mで10秒」というのをすごく意識されていたのですね。
「まずそこを求めていたからね。海外のリールは大きいので(遠心力がかかりやすいため)ブレーキがすごくかかりやすいですが、TRIENSのリールは小さいので10秒にするというのは結構大変で…。
また、リールボックスに入る大きさに収めるためにも、構想のときから製品の大きさを重視していました。
その大きさで、いかにさっき言った『10秒』の性能を出せるかというのもなかなかに苦労しましたよ。」ーお客様目線に立って、何回も何回も試作と検証を重ねて心地よさを追及していった結果、安全と安心を兼ね備えた「10秒」が実現できたのですね。
【開発秘話④】形にすることの難しさ。2年間の開発での苦悩
「開発中、様々な機構を考えてサンプルを沢山製作しました。ですが、実際サンプルを作ってみるとうまく機能が働かなかったり、巻き戻り時間が目標値に全く届かなかったりして、大きく一回失敗しちゃったことも…。」
ーサンプルは全部でいくつ作りましたか?
「10個くらいです。1個のサンプルを形にするだけでも、構想して、設計して、図面を描いて、業者さんにサンプルを依頼して…早くても1か月、複雑なものだと1.5~2か月かかってしまう。
ブレーキひとつでも、色々と試行錯誤してスピードにバラつきがでないか、偏りがなくブレーキ面が当たっているかというのを何度も試して、やっとここまで辿り着きました。カタチまで持っていけたということだけでも達成感がありましたね!」
【開発秘話⑤】コスト意識をした設計、部品点数は当初の1/3へ
ー開発する際に部品の点数なども意識されていましたか?
「もちろんです。最終的に完成したものと比べて、最初のサンプルの部品点数は2倍くらいありました。そこからどんどん部品点数を減らして、いかにシンプルにできるか何度も構造の見直しをしたので、最初のサンプルの部品点数15点から、最終的には大きなものだとケース、カバー、中心軸、ギア、ブレーキ…全部で5点です。」
ー1/3まで部品点数を減らすことができたのは凄いです!取り付けも簡単で、現場で作業する人のことも考えられていますよね。「そうですね。やっぱりコツが必要とか、複雑になればなるほどミスが起こりやすいです。組み立て時にもミスは起こりうるので、できるだけシンプルな構造で簡単につけられるようにすることで、誰でも取り付けや組み立てができると思います。」
【開発秘話⑥】ニヤリとする瞬間
ーここまで製品について教えていただきましたが、平沢さんの将来の夢はなんですか?
「これからもリールに限らず、特許や実用新案がとれるような開発をどんどんしていきたいです。
自分が開発したものが世の中に出ることは技術者として嬉しいですし、そういった実績が増えれば自信にも繋がります!
今はカーディーラーさんなどの限られた分野でしか知られていないけど、ここ最近だと自転車売り場でもリールが使われているみたいに、こんなところや、あんなところでも使われていると発見したらニヤリとしちゃいますね(笑)」ー開発者ならではの喜びですね!…では最後にスローモーションリールについて一言、お願いします。
「今はカーディーラーさんや大きな工場で使用されていることが多いですが、自分のガレージに置いているお客様もいるのでそういった方々にもぜひ使っていただきたいです。
ただ、こういうお客様に使ってほしいというよりも、『使いやすくて安全であること』をアピール出来たらなと思っています。
特に性能については多くの時間を費やし検証を行いました。安心してスローモーションリールを使ってください!」
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製品名
L-EDGE LIGHT(エルエッジライト)
お客様の声
より「小さく」、より「軽く」。
お客様はライトを選ぶ時に、携帯電話と同じく必然的に「より小さく軽い」ほうを選びます。修理の業者さんなど、持ち運ぶお客様は特に、充電式でより小さくて軽いものを求めていました。
解決策
単に小さく・軽くして「照らす」力が弱まっては意味がありません。むしろ、照らす力はより「明るく」、より「広範囲に」照らすことが求められていました。
LEDの配列を工夫することで、超広角照射を実現(実用新案も取得)。
物理的な軽量化はもちろんのこと、デザインにこだわりが。
「持ちやすさ」と「小さく見える」ことを重視し、指のアールに沿うように製品自体は様々な部分を「逆アール」に。そうすることで、どう持っても持ちやすく、実は持った時に従来のものよりも細く感じるようになっています。製品特徴
超ワイド照射
業界史上初。独自の山型LED配列で200°の広角照射を可能にしました。
車の内装なども大きいライトだととり回しが悪いですが、小さくコンパクトで広範囲のライトなら自分で角度を調節しなくても置いておくだけで全体が明るくなり、両手で作業ができます。こだわりのデザイン
デザインは、これまでデザイン会社さんにお願いしていたのですが、「L-EDGE LIGHT」に関しては全て社内でやろうということでスタートしました。社内にプロダクトデザインができるスタッフがおり、私もデザインをやってみたかったので、今回は社内でと。二人で案を出し合って社内で選んでもらったら面白いのではと、実際に何案か出し合い、お互いのベストな案で社内コンペを行いました。
「L-EDGE LIGHT」のデザインの特徴は「持ちやすさ」と「小さく見える」こと。実際の寸法より小さく見えるデザインなんです。また、どう持っても持ちやすいように指のアールに沿うよう工夫してあるのですが、そのことにより、実は持った時に従来のものよりも細く感じます。【開発秘話①】自らもユーザー目線で設計
「超ワイド200°照射」を可能にしたL-EDGE LIGHT(エルエッジライト)の開発は、車・オートバイなど乗り物が趣味で、TRIENSの製品を使うユーザー目線を持った阿部を中心としたプロジェクトメンバーから生まれました。
「自分の場合は、趣味の部分もあるのでユーザー目線に近く、友人に板金や修理など自動車関係の仕事の人もいるため実際に見たり体験したりすることが多くあります。その中で、もっとこうだったらいいな、ここが不具合だなと感じることがあるので、いざ開発するとなった時には、「あの時思っていたことを盛り込んでやろう!」と、それを活かして進めています」【開発秘話②】子供に自慢できる仕事ができた。
自分の知らない人が使っていたり、知らないところに行った時に使われているのを見たりすると、自分の創ったものが認められたのだと嬉しく感じます。自分で売り込んだところではなく、たまたま通りがかった工事現場の人が持っていたりすると嬉しいですね。
自分の創ったものを、工具屋のHPなどを見ながら「これがパパの創った商品だよ」と言っても、子供たちにはよくわからなくてたいした反応もありませんでしたが、当時子供たちが良く観ていた番組の戦闘シーンで、ある工場内でのシーンがあり、そこにたまたまウチのリールボックスがバーっと並んでいたんです。そこにライトもぶら下がっていて、「ほらコレだよ!コレだよ!」って(笑)それでやっと「パパの創ったもの、パパの会社の商品ってこんな番組に出ちゃうんだ」と、はじめて凄いと思ってくれました(笑)
これにおまけがあって、最近のことですが、子供が高校は電気機械系に行きたいと言われました。理由を聞くと、「パパがやってるようなCADや機械をやってみたい」と!
高校卒業後の進路も、私と同じように設計系の学校に行きたいと言ってくれました。
自分がやっていることを子供が面白いと思ってくれているのは何だか嬉しいですね。【開発秘話③】夢は世界の商品づくり。
国内では全国的にある程度売れてきていますが、今後は、海外でも使われる商品、海外の展示会に行ったらある、海外の整備工場に行ったらある、そんな商品を創りたいです。私にはまだそういう商品がないので。
ちょうど今、海外に向けてライトを創ろうという話が持ち上がっていて、そのプロジェクトに参加させてもらっているので、海外の需要を取り入れて、海外でヒットする商品を創りたいですね。

スローモーションリール
創業から愛される、TRIENSスタンダードの進化版。
Sシリーズの特徴はそのままに、ゆっくり&まっすぐ巻き戻る。これからの安全な作業環境の必需品!
リールの回転力を利用した遠心ブレーキ機構により、巻き取り速度を約1/5に減速。
うっかり手を離してしまってもホースが暴れることなく、人や物に金具が当たる危険を低減します。